検査を受けるというのがだいぶ浸透してきています。
目次
ホルモンを出す
症状は以前と同じ
やくホルモンがやってきたときに、受信機はどんな反応を示すのですか^先生からだの中にはさまざまなホルモンがありますが、健康を維持するために、それぞれ違う作用を細胞に及ぼしています。ホルモンは、受信時に命令を伝え、そのあと受信機の働きで、細胞の中で伝言ゲームのようにホルモンの命令が次々に伝わっていきます。この伝言ゲームの流れが乱れることが、実はホルモンの病気なんです。インスリンというホルモンを例にとって説明しましょう。糖尿病は、インスリンというホルモンの働きが悪くなり、血液の中に糖分が増えてしまい、さまざまな健康障害が起きる病気です。
で、インスリンの働きが悪くなるのに、大きくは二つの原因があります。
一つは膵臓でインスリンの分泌が悪くなる場合です。
そうすると必要なだけのインスリンが分泌されへんようになります。
もう一つは、インスリンはちゃんと分泌されてるのに、細胞の表面にあるインスリンの受信機が少なかったり、その感度が悪くなったりしたときです。この場合もインスリン不足と同じことが起こります。
やくなるほど。
先生中高年世代に多い肥満が引き金となって起こる糖尿病は、細胞の表面にある受信機の数が減ってしまったり、感度が悪くなるタイプなんです。
インスリンはちゃんと出てるわけですわ。インスリンがちゃんと届いても、受信機の不具合で受け取り拒否の状態なんです。
やく受信機の感度を増すなど、それなりの治療法はあるんですか。
先生今までは、細胞の受信機にまでは気が回らんかったわけです。そやから、インスリンがちゃんと出てる状態にもかかわらず、インスリンをもっといっぱい送り込もう、という治療ばかりやられていたんです。でもそれでは無理がきます。
やくそうでしょうね。
先生最近は、細胞のインスリン受信機の感度を上げる薬も出てきたんですね。ようやく、受信機の方を良くして糖尿病を改善しようということになってきてるんです。
やく素晴らしい。
先生それにインスリンをたくさん送り込めば送り込むほど、受信機の数が減ってしまうことも起こります。
やくまたどうしてですが、先生からだはもともとそういうふうに作られているわけです。必要以上のホルモンがやってきたとき、受信機がそのままやったら情報が入り過ぎます。それはまずいやろというわけで、受信機を減らしてしまって情報の伝わり方を一定にする、というメカニズムがあるんです。
インスリンをどんどん送り込んでしまうと、肝腎の受信機を減らしてしまうことになるわけです。
細胞膜脂肪にホルモンお届けしましたレセプター/-ヤッチイaンマス糖尿病の人はなぜ高血圧になるのか?
やくポピュラーな病気なので、糖尿病の話を続けますけれど。
アミノ酸はタンパクを構成する最小単位やから、細胞がタンパクを作るときの材料になるんです。こんなふうに、たいていのものは再利用されます。が、それでもカスが余るやんか、そのカスどうなるんや?という話になりますけど、それは血液に捨てることになります。たんじゅう一方、コレステロールは、私たちのからだを作る細胞の表面の材料になったりして、なくてはならないもんですけど、細胞はコレステロールを処分しきれないですね。
そやから、コレステロールは血管にたまって動脈硬化を起こすんです。コレステロールからできているホルモンの処分は結構困ります。こちらは胆汁に捨てて腸の中に出しています。ホルモンが証明する、人類はみな兄弟姉妹やくはなはだ失礼な物言いになるのですが、諸先生方はホルモンについては概念として頭で理解しているぐらいのものなんですか先生いえいえ。
やくそんな曖昧なものではない。
先生だって、ホルモンの代表格のインスリンを例にとりますと、インスリンを注射することで血糖値が下がるという目に見える効果がもたらされますからね。つまり外からからだにホルモンを投与すると、ちゃんと効果が出るわけです。
あいまい言ってみれば、ホルモンは薬の効果に似ているんですよ。
たとえば、抗生物質を飲んだらじんましんができるとか、おまけに薬では問題となる副作用がありません。
薬のアレルギーが出るというように、自分のからだにないものをからだに入れると免疫反応としてのアレルギーが起きます。でもホルモンは、もともとからだの中で作られているもんですし、絶対にアレルギーを起こさないんです。ですから、インスリンに代表されるように、ホルモンは治療に安全に簡単に薬の役目を果たすものとして応用できるんです。
やくきわめて確かな……。
先生作用があるからということですねやく自分のではなく他人のインスリンでも大丈夫なんですか^先生どんな人のインスリンもみんな同じです。
症状が出るきっかけ
治療法はあるのです。
昔、豚からとったインスリンを注射で使っていたときはアレルギー反応が起きて、抗体(自分にない異物を排除しようとする成分)ができてしまって、そのためにだんだん効き目が落ちてくることがありました。今は緒人のインスリンを使いますから、そんなことはない。
やく人類はみんな仲間だよということですか。
先生人として共通のもんをみんな持っているんです。
やく日本人のインスリンもアメリカ人のインスリンも、みんな同じなんでしょうか?
先生どの国の人のインスリンを日本人に注射しても、もちろん効果は同じで、副作用もありません。
やくホルモンが証明しているんですね。人類はみな兄弟姉妹なんだということを。
人類は兄弟¥ホルモンはみな第111話ホルモンの声を聞く耳
も大事脂に溶けないホルモンの情報は受信機で受け取るやくホルモンはからだに必要な情報を伝える、とのことですが、にして受け取るのでしょうか^先生まずは細胞を包む細胞膜についての説明をしときます。
ホルモンが届ける情報を細胞ではどのよう細胞を包む細胞膜っていうと、んな構造物がうずめられていて、1枚の平らな膜のように思わはるかもしれへんけど、かなり凸凹してるものなんです。実は、細胞膜にはいろでこぼこそれでホルモンには、脂に溶けやすいものと、種類があることを紹介しました。
脂には溶けず水血液にしか溶けへんもの、という二つの細胞膜は脂でできていますから、脂に溶けへんものは細胞膜を通過できへんわけです。
細胞のエンジン役にあたるミトコンドリアそのものを元気にする
症状から解放されて気が楽になったという
そこで脂に溶けへんホルモン用の受信機レセプターが細胞の表面に顔を出してます。ホルモンがやってくると、受信機がキャッチをすることで情報が細胞に伝わるんです。
やく小学校の終わりか中学生になったくらいのときに、細胞がどういう形をしていて、その中の構造物はこうだって、動物と植物の場合はこうだって学びますね先生はい。
やく染色体がいるだの、核があるだの。もちろんこれが細胞膜だ、細胞壁はここだって。でも、その中にあるいわゆるレセプター的なものというのは、当時教わった記憶がないわけですが。
それは器官の名前というよりは、機能と考えてよろしいんですか先生いえいえ。
やく器官ですか先生器官というよりもっと小さいイメージです。受け取る働きをするものが存在している、っていうのが正確かもしれませんやくふーむ。
先生細胞の表面の構造物の一つにレセプターがある、っていうイメージです。
やくでは脂に溶けるホルモンの場合は、先生脂に溶けるホルモンは細胞膜を通過することができますので、細胞膜を突き抜けて、細胞の中にある受信機が受け取るんです。
受信機の感度を上げることで情報がきちんと伝わるやくそうすると、細胞にはAというホルモンに対応する、いわばAというホルモンの受信機というものがもともと備わっている、という話ですか^先生A受信機がある細胞にしか、Aというホルモンの情報は伝わらへんのです。
やく役割分担を厳密にしているものなんですね先生たとえば英語がわからへん人は、英語でしゃべってこられたってさっぱりですわ。せやけど英語がわかる人やったら、すぐわかりますよね、相手が何を言ってるのか。ホルモンが何を言っているのかを聞く耳
を持っているかいないかが重要なわけで、そういう、受け手側の能力にあたるのが細胞の受信機なわけです。
症状の改善に向かうべきである。
病気になる人
やくホルモンがやってきたときに、受信機はどんな反応を示すのですか^先生からだの中にはさまざまなホルモンがありますが、健康を維持するために、それぞれ違う作用を細胞に及ぼしています。ホルモンは、受信時に命令を伝え、そのあと受信機の働きで、細胞の中で伝言ゲームのようにホルモンの命令が次々に伝わっていきます。この伝言ゲームの流れが乱れることが、実はホルモンの病気なんです。インスリンというホルモンを例にとって説明しましょう。糖尿病は、インスリンというホルモンの働きが悪くなり、血液の中に糖分が増えてしまい、さまざまな健康障害が起きる病気です。
で、インスリンの働きが悪くなるのに、大きくは二つの原因があります。
一つは膵臓でインスリンの分泌が悪くなる場合です。
そうすると必要なだけのインスリンが分泌されへんようになります。
もう一つは、インスリンはちゃんと分泌されてるのに、細胞の表面にあるインスリンの受信機が少なかったり、その感度が悪くなったりしたときです。この場合もインスリン不足と同じことが起こります。
やくなるほど。
先生中高年世代に多い肥満が引き金となって起こる糖尿病は、細胞の表面にある受信機の数が減ってしまったり、感度が悪くなるタイプなんです。
インスリンはちゃんと出てるわけですわ。インスリンがちゃんと届いても、受信機の不具合で受け取り拒否の状態なんです。
やく受信機の感度を増すなど、それなりの治療法はあるんですか。
先生今までは、細胞の受信機にまでは気が回らんかったわけです。そやから、インスリンがちゃんと出てる状態にもかかわらず、インスリンをもっといっぱい送り込もう、という治療ばかりやられていたんです。でもそれでは無理がきます。
やくそうでしょうね。
先生最近は、細胞のインスリン受信機の感度を上げる薬も出てきたんですね。ようやく、受信機の方を良くして糖尿病を改善しようということになってきてるんです。
やく素晴らしい。
先生それにインスリンをたくさん送り込めば送り込むほど、受信機の数が減ってしまうことも起こります。
やくまたどうしてですが、先生からだはもともとそういうふうに作られているわけです。必要以上のホルモンがやってきたとき、受信機がそのままやったら情報が入り過ぎます。それはまずいやろというわけで、受信機を減らしてしまって情報の伝わり方を一定にする、というメカニズムがあるんです。
インスリンをどんどん送り込んでしまうと、肝腎の受信機を減らしてしまうことになるわけです。
細胞膜脂肪にホルモンお届けしましたレセプター/-ヤッチイaンマス糖尿病の人はなぜ高血圧になるのか?
やくポピュラーな病気なので、糖尿病の話を続けますけれど。
健康を害しているのです。
細胞はチェック
インスリンの受信機の状態は、からだのどの場所でわかるものなのですか^先生インスリンがいったいからだのどこに効いて血糖が下がるかというと、まずは骨格筋なんです。
やく骨格筋^先生骨についていて骨の動きと連動する筋肉です。それに加えて肝臓です。この二カ所でインスリンの効きが悪くなってくるのが、糖尿病という病気の状態なんです。特に太って糖尿病になる人はそうです。
やく骨格筋と肝臓ですか先生はい。
じんぞうで、そういうメインなところ以外に、腎臓や心臓にも作用するんです。
糖尿病の人の約半数は高血圧になります。インスリンが腎臓にも作用するということで、この謎が解けるんです。
やくむむ先生糖尿病になると血圧が上がるのは腎臓に原因があるのやないかと考えられてるんです。
腎臓の細胞にもインスリンの受信機があります。
先ほどの話のように、インスリンが過剰な状態やったら細胞の受信機の感度がふつうは悪くなるんですが、腎臓の細胞のインスリン受信機は、一向にそうならへんのでやくふむふむ先生そやから、骨格筋の細胞でインスリンの効きが悪くなると、からだは膵臓から余計にインスリンを出そうと頑張ります。そうすると、腎臓ではインスリンが効き過ぎることになるわけです。
やくこれもイメージがわきます。
では、そもそもインスリンは腎臓では何をしてるんですか。
先生腎臓は一度からだにいらんと思われるものは全部からだの外に出してしまってから、再利用できるものはもういっぺん引き戻して再吸収して、ほんまにいらんものだけを出す、というシステムになってます。
ストレスに弱いといえます。
インスリンは腎臓に、塩を再吸収せよ、と働きかけるんですわ。インスリンの働きかけが多いと再吸収される塩が多くなります。その結果、塩のとり過ぎと同じことになって、血圧が上がるわけです。
やく過ぎたるは及ばざるが如しですか。
先生つまり、単純にインスリンを外からどんどん入れるだけではいけないということです。受信機の感度を上げて、外からはむやみに補わない、という治療に持っていかないと、イタチごっこになるだけですわ。
やくそこまで理解が進んできた、ということですね先生インスリンが脂肪細胞に働き過ぎる状態は寿命を短くする、ということもハエなどの実験でわかっています。やく細胞のホルモン受信機について勉強してきましたが、ホルモンの出が少ないことで起こる病気もあるわけですね。
先生明らかにホルモンの分泌が少ないという病気の場合は、それを補わんといけません。突然インスリンを出す膵臓の細胞が壊れてしまってインスリンが出なくなり、糖尿病になる場合があります。この場合はインスリンを補うしか手だてがありません。
子どもさんで背が伸びない病気がありますけど、成長ホルモンを投与することで身長を伸ばすことができます。成長ホルモンは脳から分泌されますけども、なんらかの原因で脳から分泌される機能が落ちているということが証明された場合に、成長ホルモンを投与するわけです。
ホルモンを補わんとあかん病気と、そやから、ことですわ。
受信機のほうを改善せんとあかん病気の治療法は違うという患者さんに即していえば、自分の病気がどんな状態なのかをよく理解して、ホルモンの病気と付き合いましよう、ということになります。
やくホルモンという、日常よく耳にするけれどもこれまで曖昧模糊としたイメージしか持ち合わせていなかったものの正体が掴めたように思います。それにしても、我々のからだって、よくできているものですねえ。
あいまいもこ
脳の話
「交感神経優位がアウェイ副交感神経優位がホームか……」
やく
ムード作りの司令塔。
独特の脳ワールド脳はベンチ、からだはグラウンド以前おっしゃった三つのワールドのうち、今回は神経系のお話を伺いたいと思います。